死刑制度の歴史 (文庫クセジュ)本ダウンロード

死刑制度の歴史 (文庫クセジュ)

08/10/2020 16:41:26, , ジャン=マリ カルバス

死刑制度の歴史 (文庫クセジュ)本ダウンロード
によって ジャン=マリ カルバス
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出版社からのコメント 日本でも、3年後に裁判員制度が始まる。凶悪重大な刑事事件について導入され、死刑か無期か、一般市民が量刑の判断を迫られることになる。一人ひとりが、刑罰のありかたについて改めて考えねばならない。 本書は、古代から現代までの死刑制度の歴史と現況を解説するとともに、死刑賛成論者と反対論者の議論の道のりをたどってゆく。法学者、哲学者のみならず、作家たちの見解も紹介している。死刑制度存廃問題を考えるための必読書。 内容(「BOOK」データベースより) 国家は、殺人犯やその他の危険な犯罪者を殺す権利を有するのか、否か?この重い問いについては、長年にわたって議論が重ねられてきた。本書は、古代から現代までの死刑制度の歴史と現況を、わかりやすく解説する。死刑制度存廃問題を考えるための必読書。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 吉原/達也 1951年生まれ。1979年京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得。ローマ法専攻。広島大学法学部教授 波多野/敏 1959年生まれ。1987年京都大学大学院法学研究科博士後期課程中途退学。西洋法史専攻。岡山大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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光市母子殺害事件が最高裁で差し戻しになって以来、「世の中にはあんなに悪いやつがいるんだから、死刑制度が存置されるべきは当然」とひとこと発言して、あとは何も考えない思考停止が蔓延している日本。だからこそ、死刑が廃止されて二十年以上たった時点で、フランス人が歴史を回顧しながら、死刑についての実態や思想を概観した本書は、考える出発点として、有益である。注目すべきは、著者が、ロシアにせよフランスにせよ、革命前の旧体制の末期においては死刑適用がかなり控え目になってきていたのに、進歩的と称する革命が起こった後に制度としての死刑や、事実上の死刑(政治的虐殺)が盛んになってしまったという深刻な歴史を、しっかり見つめている点である。ヒトラーの「褐色の全体主義」とスターリンの「赤い全体主義」が、「死の崇拝」という点では同断だったと指摘している点(120ページ)も、今では異論の余地がないだろう。フランスでファシズムと戦ったレジスタンス勢力が、形勢逆転の後、容赦のない死の弾圧に乗り出したという負の歴史も、著者は目をそむけずに見つめている(127ページ)私がつねづね心配なのは、わが国では仏教の縁起論(人は縁がもよおせばどんなことをしでかすかもわからない不安定な存在であることを凝視する理論)に立って、「あなただって、環境しだいでは犯人と同じだったかもしれませんよ」として、被害者への一方的な肩入れを戒め、死刑に対しても、見直すべきだと主張する社会派的仏教徒が、往々にして唯物史観の「資本主義体制の犠牲者としての犯罪者」という主張と共同戦線を張る現象が、見られることだ。両者の哲学は、似ているようでいて、根本的に異なる。後者の唯物史観に立つ死刑廃止論者は、革命成就のあかつきには、旧支配階級の犯罪に対しては容赦なく死刑をもって臨もうとするであろう危険な存在だ。そういうものと共同戦線を張ることが、はたして宗教者として正しい選択だろうか。こういうことを考えるためにも、基本文献として、本書をお勧めする。新書だから、掘り下げが足りない部分はあるが。

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