漢文の話 (ちくま学芸文庫)ダウンロード

漢文の話 (ちくま学芸文庫)

08/01/2020 01:30:03, , 吉川 幸次郎

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によって 吉川 幸次郎
3.8 5つ星のうち4 人の読者
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内容(「BOOK」データベースより)江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠、明治の漱石、鴎外、露伴、昭和の荷風、芥川龍之介…、日本人は漢文を愛し、日々の覚えや自らの思いを漢文で記した。また、「論語」「五経」「史記」などの古典は必読の書でもあった。私たちの教養に深く入り込んでいた漢文を歴史的に説き起こし、その由来や美しさ、読む心得や特徴などをわかりやすく解説する。見慣れぬ漢字に臆せず、直感を養い、リズムを重視する―中国文学の碩学が、優れた例文を示し、漢文が本来的に持っている魅力を余すところなく語った最良の入門書。著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)吉川/幸次郎 1904年、神戸市に生まれ、1980年、没。1923年京都帝大文学科に入学、支那文学を専攻。’28年中国に留学、’31年帰国。同年、京都大学人文科学研究所東方学研究部の研究員となり16年間をすごす。’47年京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、芸術院会員、文化功労者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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永井荷風や漱石の漢詩・漢文を著者吉川氏は大変評価しています荷風が「文章をうまく書くには漢文をやれ」と言った由本書に見えます印象に残りましたさもありなん吉川氏が人を惹き付ける名文家である所以は此処に本書は私たちが云わば外貌あるいは構造物様にしか知らない「漢文」についてその論理的構造を実に細かく且つ実例をもってわかり易く示してくれますそして柔らかく亦ふくよかに私たちの粗概念を補填してくれますこと例えば、日本の古文と中国紀元前の漢文との違いです古文は平安時代で言えば当時の口語で記された文が言語の経年変遷の中で古い表現と化したもの故今では漢文より解かりにくい(源氏物語、枕草子)漢文は一方初めから簡潔且つ論理的に表意文字の漢字を使って構成されるのが決まりでした其処には無駄な語が原則省かれていますつまり漢文は当初から文章語として工夫されてきたこと口語を表音的にそのまま記したものではないこと大切な交通整理ですかくして近代の漢文も紀元前のそれも原則同じように読むことができるとなるほどね教えていただきましたそう言われますとテニヲハの無い漢文、テンスの無い漢文です丁度枝を切り落とした晩秋の街路樹のようにスッキリして見えますこんなにも解かり易く素人に教えていただけた本はかってあったかしら漢文って本質を知らなかっただけのこと案外おもしろい吉川氏は滔滔たる大河の難所を行く水先案内の船頭よろしく巧みに私たちを奥へ奥へと導いてくれますなにしろ相手の本丸は漢字を産んだ漢文明ですそして今となっては運命にも似て気づくのです漢字文化圏の中で歴史を経て今日へと育ってきた朝鮮であり、ベトナムであり、日本でありましたことこの造詣深い案内人が世に在ったことに心から感謝していますこの本を読んでみて思います日本人にして此処まで漢文・漢詩を中国人と同等あるいはそれを越えて理解する者がいたかぁ-という感嘆であり誇りですこの本を読んだからこそ漢文・漢詩にあるいはこれで記された東洋の歴史に歩み入らんとする人が今後も必ず出てくるでしょう思い起こせば啄木、荷風、藤村、花袋、漱石、子規、鴎外…、それから芭蕉もと多くの近代日本の文人たちは漢文・漢詩の世界を肥やしとしていますこれからの世界にとっても同じことでしょう漢文・漢詩の表現に負う東洋学の歴史・文化ないし伝統を正しく取り入れることが私たち東洋人にとっては大切なことかと思います欧米語プラス漢文の素養、双根ということですね初等教育における漢文の重要性を当然吉川氏は指摘されており其れがかなわぬならば此の本が代りになると述べられています確かにそんな充たし方をしてくれそうな好著ですねお恥ずかしいことですが私と致しましては初等教育を遅ればせに今終わるという気持ちになりました この書は嬉しいことに後半(下篇)において有名漢文を選んでその読解を一緒にしてくれています実習にしては勿体ない内容です易経など五經の簡潔な説明に続いて名文としての「孟子」(孟子は中国戦国時代の儒家で性善説で有名)また紀伝体の「史記」(司馬遷著で前漢BC91年頃完成)に始まる歴史書の文章が紹介されますその後の六朝時代(212~606)に為された美文調(四六駢儷体)への変革にも触れてくれたことも好感ですこの修辞法(対句とリズム重視)の普及は続く唐時代に益々盛んとなって当時漢訳された仏典にも影響します日本において大和朝廷から奈良・平安にかけて盛んに移入されました中国文化は大方この美文調の影響にあります例えば著者が指摘されるように平安王朝時代に宮廷貴族の愛読書であった「文選」(もんぜん)は専ら大陸での美文調作品のコレクションと言ってよいものでしたこのように漢文について歴史を紀元前から今へとどっしり教えて頂いた本書でした有り難うございました

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